- リンクを取得
- ×
- メール
- 他のアプリ
PFPランキングを作る過程で偏差値表を眺めていると、日本の頭脳が猫も杓子も医学部に向かっている現状が改めて浮き彫りになりました。もちろん、医師になるには高い学力が必要ですし、高齢化社会が進む中で医師不足が懸念されるのも事実です。しかし、この状況が本当に日本にとって最善なのか、ふと疑問に思います。
医学部は学費が高いため、多くの受験生は学費の安い国公立を目指します。一方で、富裕層は学費がべらぼうに高くても私立医学部に進学するケースが少なくありません。
国公立医学部なら年間50万円程度の学費で済みますが、私立医学部では最高で年間800万円近くかかると言われています。興味深いのは、偏差値が低くなるほど学費が高くなる傾向があることです。とはいえ、医師の年収を考えれば、それだけの投資をしても十分に回収できる職業だといえるでしょう。
例えば、Googleで「医者の平均年収」を検索すると、次のようなデータが出てきます。
- **厚生労働省「令和3年度賃金構造基本統計調査」**によると、医師の平均年収は 1,378.3万円
- **厚生労働省「第23回医療経済実態調査(令和3年実施)」**によると、病院勤務医の平均年収は 1,467万8,978円
- 民間医局のデータでは、年代別の医師の平均年収は次のとおり
- 25~29歳:980万円(男女合計)、1,044万円(男性のみ)
- 30~34歳:1,170万円(男女合計)、1,200万円(男性のみ)
- 35~39歳:1,350万円(男女合計)、1,440万円(男性のみ)
- 40~44歳:1,440万円(男女合計)、1,500万円(男性のみ)
また、診療科別の平均年収は以下のとおりです。(アクシス株式会社のデータより)
- 産婦人科:4,551万円
- 眼科:3,377万円
- 整形外科:2,998万円
- 小児科:2,827万円
- 皮膚科:2,792万円
- 耳鼻咽喉科:2,597万円
- 内科:2,582万円
- 外科:2,020万円
こうしたデータを見ると、医学部進学が「安定した高収入への最短ルート」だと考えられるのも無理はありません。
日本は韓国の後追い?
かつて、お隣の韓国では美容外科医を目指す受験生が急増し、医学部合格をめぐる受験戦争が国民的な現象になっていました。今の日本も、それに近い状況になっているように思えます。
もちろん、「勉強を頑張り、高額な学費を投資して医師になるのだから、それ相応の見返りがあるのは当然だ」という考えも理解できます。しかし、国としては、経済的な事情に関係なく、志のある優秀な学生が医師になれる仕組みを整えるべきではないでしょうか。例えば、国が公務員医師制度を導入し、医師として国に貢献することで学費が免除されるような仕組みがあってもいいかもしれません。
また、医学部に進まなくても、超優秀な学生がそれ以上の収入を得られる道を整備しないと、国家の発展という観点からも問題が生じるのではないかと危惧しています。医療の世界が利権や金儲けに走ることなく、適正に機能するような仕組みを作ることも重要です。
「医学部は職業訓練校」
ところで、今回のテーマの元となった言葉は、WakatteTVに登場した九州大学出身の医師の発言です。
「医者は一生、他人の世話で終わる。医学部は職業訓練校。」
これは、医療の現場で長年貢献してきた方だからこそ言える、重みのある言葉でしょう。本当に学問を追求したいのであれば、理学部・工学部・農学部の方が適しているという指摘には一理あります。しかし、今の日本では「勉強ができるなら医学部を目指すのが当たり前」という風潮が根強く、なかなか変わりそうにありません。
日本にも、東京大学理科三類以上の超優秀層が目指すべき新たなフィールドが生まれる日は来るのでしょうか。
WakatteTVより
雷獣より
📢 関連記事
コメント
コメントを投稿